エネルギー資源工学研究室の研究内容


シェールガス開発に関する研究
 近年、米国では技術革新によりシェールガスが安価で供給されるようになり、製造産業の競争力が向上しています。シェールガスは世界中で存在が確認されており、エネルギー資源の安定確保のためには、シェールガス生産技術の保有が重要となります。一方、シェールガスの貯留形態の約4割は吸着によると報告されていますが、吸着ガスを効率的に生産する方法は開発途上です。当研究室では、シェールにガスがどのように吸着しているか分析を進めています。


水溶性天然ガス田開発に関する研究
 水溶性天然ガス田においては、地下水(かん水)を汲み上げて天然ガスを生産します。またこのかん水に含まれているヨウ素は、X線造影剤や液晶ディスプレイなどに使用されるため、近年需要が急増しています。しかし、かん水を過剰に汲み上げると地盤沈下が発生する危険性があります。その防止策として、ガスやヨウ素を回収した後の地下水を地下に還元圧入する方法が考えられます。本研究では、還元圧入による地盤沈下の防止および効率のよいガス生産方法の確立を目的としています。


地中熱利用に関する研究
 どこにでもある地盤を熱源として高効率な冷暖房や融雪を行う地中熱利用システムは、省エネルギー効果が高く、さらに地球温暖化やヒートアイランド現象を抑制するため一層の普及が期待されています。当研究室では地中熱利用システムの最適設計を目指して、国内各地においてフィールド試験を実施し、さらに室内実験や数値解析などに取り組んでいます。


地下水流動系モデリング
 地下水汚染は、地盤沈下、などの地下水問題に対処し、地下水の質と量を守るためには基礎的な地下水研究を行う必要があります。当研究室では、地下水の涵養地域と排出地域の区分、あるいは地下水の流動系の解明を目指して水質分析、同位体分析、地下水位と地下水温の経時変化試料の収集などをさまざまな地域で実施しており、さらに分析結果を利用した広域の地下水流動シミュレーションも行っています。


CO2炭層固定化に関する研究
 CO2炭層固定化とは、地球温暖化の原因となるCO2の大気放出を抑制するため、火力発電所などの大規模発生源から回収したCO2を、石炭層に圧入して安定的に固定化する技術です。石炭層にはメタンガスが存在していますが、これにより、石炭層内に存在するメタンガスがCO2で置換され、クリーンエネルギーとして回収されます。本研究では、石炭層にCO2を圧入した場合の挙動およびメタンガスの生産挙動などを、シミュレーションによって予測します。


ガス攻法による油増進回収に関する研究
 ガス攻法とは、ガスを油田に圧入して、油産出量を増加させる技術です。秋田県内の研究対象油田では、1960年代から原油や天然ガスが生産されていますが、その産出量は年々減退しています。そこで、油の増進回収を目的として、近隣の油田における生産余剰となった天然ガスを当該油田に圧入すること(ガス攻法)を想定し、その効果や増油量、最適な圧入条件などを、油層シミュレータを用いて検討します。