エネルギー資源工学研究室の研究内容


水溶性天然ガス田開発に関する研究
 水溶性天然ガス田においては、地下水(かん水)を汲み上げて天然ガスを生産します。またこのかん水に含まれているヨウ素は、X線造影剤や液晶ディスプレイなどに使用されるため、近年需要が急増しています。しかし、かん水を過剰に汲み上げると地盤沈下が発生する危険性があります。その防止策として、ガスやヨウ素を回収した後の地下水を地下に還元圧入する方法が考えられます。本研究では、還元圧入による地盤沈下の防止および効率のよいガス生産方法の確立を目的としています。


地中熱利用に関する研究
 どこにでもある地盤を熱源として高効率な冷暖房や融雪を行う地中熱利用システムは、省エネルギー効果が高く、さらに地球温暖化やヒートアイランド現象を抑制するため一層の普及が期待されています。当研究室では地中熱利用システムの最適設計を目指して、国内外においてフィールド試験を実施し、さらに室内実験や数値解析などに取り組んでいます。


地下水流動系モデリング
 地下水汚染は、地盤沈下、などの地下水問題に対処し、地下水の質と量を守るためには基礎的な地下水研究を行う必要があります。当研究室では、地下水の涵養地域と排出地域の区分、あるいは地下水の流動系の解明を目指して水質分析、同位体分析、地下水位と地下水温の経時変化試料の収集などをさまざまな地域で実施しており、さらに分析結果を利用した広域の地下水流動シミュレーションも行っています。


ガス攻法による油増進回収に関する研究
 ガス攻法とは、ガスを油田に圧入して、油産出量を増加させる技術です。秋田県内の研究対象油田では、1960年代から原油や天然ガスが生産されていますが、その産出量は年々減退しています。そこで、油の増進回収を目的として、近隣の油田における生産余剰となった天然ガスを当該油田に圧入すること(ガス攻法)を想定し、その効果や増油量、最適な圧入条件などを、油層シミュレータを用いて検討します。